フレンチリネンの新星 Maison Hellard(メゾン エラール)

東京・銀座は、晴れた日が続いたと思ったら、雨で気温が急降下したりと、変わりやすい天気が続いておりますが、例年に比べて暖かい日が多く、人出もかなり増えております。

お客様のご来店が無い時間が続くと、「春眠暁を覚えず」のごとく、睡魔が襲ってくる時もございますが(笑)、コロナの話題も無くなり、久しぶりにリラックスした良い感じの春を迎えております。

       

さて今回は、今年2023年の春に本格的に日本に上陸した、フレンチリネンの新星・Maison Hellard(メゾン エラール)をご紹介させていただきます。

     

実は、日本では、今までビスポークテーラーで数社のみ取り扱いがありましたので、薄々存在を知ってはおりましたが、2023年より日本で正式に代理店が付きましたので、本格的に展開がスタートいたしました!

     

日本は、世界に類を見ない程、世界中の生地が流通している国ですが、そんな日本でもまだ上陸していない生地があったのかと思いましたが、それもそのはず、Maison Hellard(メゾン エラール)は、なんと2020年に創業の新しい生地メーカーでございます。

      

業界的には、今存続している会社は、百年~数百年と続いている会社が多く、特に英国などは、どんどん吸収合併されて、会社の数が減っている状況の中、フランスで新しい生地メーカーをスタートするのは、単純に凄いと思います。

しかも、今のところ、取り扱っているバンチブックが2種類という、超専門性の高い生地しか生産していない、ある意味、とても尖った会社ですが(笑)、元々、世界最大規模のマーチャント・スキャバル社で仕事をしていた土台があり、新しい生地メーカーながら、既に世界中の多くの国のテーラーで取り扱われているようです。

余談ですが、服地業界で仕事をする前は、なんと軍人だったらしいです。

      

ということで、前置きが長くなりましたが(汗)、Maison Hellard(メゾン エラール)のバンチブックは、こちら。

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右がHeures Bleues(ウール ブルー)、左がJardin D'hiver(ジャルダン ディビエール)でございます!

 

他の生地ブランドのバンチブックとは違う、インパクトのある表紙ですね!

      

取り扱っているお店やテーラーなどが、SNSなどで紹介していることもあって、洋服好きなお客様は、既にインターネット上でご覧になられているので、ご来店されるお客様の中にも、当店に置いてあるバンチブックを見て、「これって、ネットでいろいろなショップがアップしていますが、何ですか?」「このバンチブック、ネット上で最近良く見ますけど、どんな生地ですか?」なんていうお声をよく聞きます。

     

さらに、日本に届いたバンチブックの数が、40冊ちょっとしかなく、テーラー業界では、バンチブックの争奪戦になっているとか、いないとか...汗

(当初、用意していたバンチブックが水没してしまい、予定よりも日本へ送る数が減ってしまったようです)

     

そんな、Maison Hellard(メゾン エラール)のまずは、Heures Bleues(ウール ブルー)のコレクションをご紹介させていただきます。

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Heures Bleuesは、100%LINENのコレクションで、360g/mのチェック柄を中心とした綾織り(ツイル)のファンシーな生地と330g/mの平織り(トロピカル)のプレインカラーの生地で構成されております。

いずれも、フランス・ノルマンディー産の上質なフレンチリネンを、イタリアで織り上げた、とてもソフトで滑らかな風合いのリネンでございます!

当店でも人気の高い、W.BILLSPENCE BRYSONのアイリッシュリネンの糊が効いて、しっかりとしたリネンとは違う、肩の力が抜けてリラックスした雰囲気のリネンでございます!

     

ということで、生地をざっとご紹介させていただきます!

360g/mのファンシーなツイル生地は、27色ございます!

    

まずは、グレンチェック&オーバーペーンが6色!個人的に大好物の柄でございます!

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英国調のファンシーなチェック柄が6色!クラシックな柄が、逆にとても新鮮ですね!

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ダブルウインドペーンも6色!COLLABORATION STYLEでも既に、オーダーいただいている人気のある柄ですね!

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シンプルなウインドペーンも6色!リネンでシンプルなウインドペーンも珍しいですね!ジャケットだけではなく、スーツでも良いですね!

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そして、ヘリンボンが3色。これは、3色共オーダーしたいくらいです!笑

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ちなみに、Maison Hellardの生地は、品番(番号)の他に、360g/mのツイル生地は柄のイメージが生地の名称として書かれております。

   

Soleil de midi(真昼の太陽)

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Nuit étoilée(星降る夜)

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続きまして、330g/mの平織りのプレインカラーが21色揃っております!

細番手のリネンを使用し、高い密度で織り上げた平織りの生地は、風通しが良く、ソフトで滑らかな風合いが特徴です。

     

まずは、ネイビー~ブルー系で、6色!

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今シーズンは、この中から、Bleu profond(ディープブルー)の生地で、私自身のスーツをオーダーしてみました!

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ちなみに、330g/mのプレインカラーの方は、品番(番号)の他に、生地の色が書かれております。

     

Moka

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Olive

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SNS等では、オーダー業界の皆様は、ファンシーなチェック柄でジャケットを作られている方々が多いですが、ちょっと違う私は(笑)、普通にネイビーでスーツを作りました!

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(ちょうど、リネンのネイビースーツが欲しかったのと、ジャケットは、別で作りたい生地がありましたので...)

      

ソフトな風合いで、ふんわりとした生地なので、330g/mという数字ほどの重さは全く感じません!

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今まで、リネンスーツは、何着も作って着ましたが、仕上がった時点の感じは、一番良いかもしれません!

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これから、しわを作りながら、じっくりとエイジングを楽しみたいと思います!

     

続いて生地のご紹介に戻りますと、ダークブラウン~タバコ~モカブラウン~サンドベージュ~オフホワイトと6色!

ブラウン系は、リネンスーツやジャケットで人気のカラーですね!

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グリーン系~オリーブ~カーキで6色!この色の雰囲気もリネンならではの人気カラーですね!

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そして、グレーとホワイト!

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以上、48色のコレクションでございます!!!

色の数以上に、バリエーションがあるように感じますね!

    

    

そして、Maison Hellardのもうひとつのコレクション・Jardin D'hiver(ジャルダン ディビエール)をご紹介させていただきます。

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Jardin D'hiver(ジャルダン ディビエール)は、Heures Bleues以上に生地見本帳が無く、最初は10冊ほどしか日本に届かなかったようで、超限定コレクションでございます!

      

そして、なんとJardin D'hiver(ジャルダン ディビエール)は、4色のみでございます!

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上から、ネイビー(Miroir d'eau)・ブラウン(Bois du soir)・ベージュ(Fleur de givre)・グリーン(Mousse errante)。

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コンポジションは、カシミヤ45%・リネン40%・シルク15%で、360g/mの3プライのカルゼ(ダイヤゴナル)でございます!

    

この中から、自分のジャケットとして、ブラウン(Bois du soir)を取り寄せてみました!!!

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ソフトなタッチですが、ざっくりとした織りのいわゆるサマーツイード系の生地ですが、日本では間違いなく暑いと思いますので(汗)、個人的には秋から冬にかけて着るジャケットとして作ろうかと思っております。

たぶん、フルハンドのビスポークで作るのが、生地の雰囲気が生かされて良いかなと思いますが、仕上がりましたら、ご紹介させていただきます!

   

ということで、今回は、2023年春夏シーズンより日本で本格的に取り扱いがスタートしました、フレンチリネンの新星・Maison Hellard(メゾン エラール)をご紹介させていただきました!

Jardin D'hiverはちょっとマニアックな生地だと思いますが、Heures Bleuesの100%LINENの生地につきましては、多くの皆様にお薦めできるきれいで上品なリネンでございます!

アイリッシュリネン・イタリアンリネンも素晴らしいですが、フレンチリネンもとても良い感じです!!!

   
      

今回のブログも、いつものように長くなってしまいましたが、ご覧いただきましてありがとうございます!

まだまだまだまだ(笑)、皆様にご紹介したい情報がたくさんありますので、次回のブログもどうぞお楽しみに!

    

COLLABORATION STYLE 上原祥意