日本の夏にWILLIAM HALSTEADのHIGH TWIST WOOL

6月に入り、全国的にいよいよ梅雨に入りましたが、東京・銀座は、雨が降らずに猛暑日が先にやってまいりました。
少し前まで、今年は少し涼しいと思っていたら、一気に夏到来でございます!

    

さて、今回は、蒸し暑い日本の夏でもスーツを着る皆様にお薦めする定番の人気スーツ素材をご紹介させていただきます。

    

今までも日本の夏にお薦めの生地をいくつかご紹介してまいりましたが、今回ご紹介するのは、英国の老舗ミルWILLIAM HALSTEAD(ウィリアム・ハルステッド)HIGH TWIST WOOLでございます。

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定番過ぎて、ブログでご紹介するのが逆に遅くなってしまいました。

    

クラシックスーツの生地として限定すれば、「亜熱帯のような日本の夏」にも何とか対応する生地はそれほど多くは無く、多くの生地メーカーで定番として長年作り続けられている生地がほとんどでございます。

以前に、ご紹介しましたFOX BROTHERSのFOX AIRやLORO PIANAのZELANDER®Z-TWISTも同様に長年作り続けられている定番の素材でございます。

   

日本の夏にFOX AIR

日本の夏にLORO PIANAのZELANDER®Z-TWIST

    

最近は、LORO PIANAのSUMMERTIMEのようなウール・シルク・リネンやDRAPERSのウール・リネンなどの軽量で、少しカジュアルな雰囲気の素材も清涼感があり、カラーバリエーションも多く、夏のスーツとして、とてもお薦めの生地ですが、何十年、何百年と昔から作り続けられていて、今も尚、スーツ好きの皆様にご愛用いただいている100%ウールやウール・モヘアなどのクラシックな生地もとても魅力がございます。

    

今回ご紹介するWILLIAM HALSTEAD(ウィリアム・ハルステッド)のHIGH TWIST WOOLは、FOX BROTHERSのFOX AIRや、かつてのMARTIN SONSのFRESCO、現在のHARDY MINNISのFRESCOと同じように、特殊紡糸の強撚糸(ハイツイストヤーン)を使用して粗めに織られたポーラという平織りの生地で、正に英国らしい夏素材でございます。

COLLABORATION STYLEでは、お客様にFOX AIRと比較してご覧いただくケースが多いですが、目付(重さ)も、FOX AIRが、285~315g/mに対して、WILLIAM HALSTEADは300~320g/mとほとんど変わりません。

    

生地の雰囲気や透け感はこんな感じです。

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イタリア製の生地と比較すると、太い糸を使用することで、粗く織っても強度を保ちながら、通気性を確保した生地でございます。

FOX BROTHERSのFOX AIRとWILLIAM HALSTEADのHIGH TWIST WOOLとの比較ですが、今までオーダーいただいたスーツなどを見て、私なりにザックリと違いをご説明すると、

■FOX AIRの方がほんの少し織りが細かい(WILLIAM HALSTEADの方が粗い)

■WILLIAM HALSTEADの方が、少ししっとりとしていて、FOX AIRの方が、よりドライタッチ

■WILLIAM HALSTEADの色柄は質実剛健のクラシックな色柄がほとんど、FOX AIRはブラウン・ベージュ系の色柄や、派手目なチェック柄も多く、バリエーションが豊富

■価格は、WILLIAM HALSTEADは日本国内の在庫なので、FOX AIRよりもリーズナブル

というような感じです。

     

ちなみに、織りの細かさ(糸の細さ)は顕微鏡等で確認していないので個人的な感想です。汗

また、風合い(タッチ)の感じ方は、個人差があると思いますが、私なりの経験値で比較させていただきましたので、ご参考にしていただければ幸いです。

    

ということで、私ももちろんWILLIAM HALSTEADのHIGH TWIST WOOLでスーツを作っております!

   

選んだ生地は、こちらのブラウン。

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数色の色で織られているメランジ調の生地なので、ブラウンですが重たい色では無く、清涼感もあると思います。

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張りのあるしっかりとした平織りの生地なので、スーツも立体的に仕上がりやすく、仕立て映えもバッチリです!!!

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パンツのラインもきれいに仕上がります。

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ザックリとして、ガッチリとして、イタリア製の生地と比較すると硬く重たい生地ですが、実は着ていく内に、ゴリゴリの硬さは無くなり、生地が柔らかくなって、どんどん身体に馴染んでいきます。

特に、COLLABORATION STYLEのジャケットの仕立ては、柔らかい毛芯を使用し、しっかりと前肩にゆとりを持たせ、軽く仕上げておりますので、硬く重たい生地でも着心地良く仕上がります。

     

ということで、2025年春夏シーズンにご用意している色柄をご紹介させていただきます。

  

まずは、英国らしいチョークストライプが2色。

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グレンチェックは、柄の大きさが2種類で、計7色。

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ハウンドトゥースが3色

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そして無地が12色。

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今シーズンの新色として、グリーンが追加されました!

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グリーンは、ここ数年、多くの生地メーカーで増えている色ですが、このグリーンもとても良い色です。(画像だと色が分かり難いかもしれませんが...)

    

尚、今回ご紹介させていただいているWILLIAM HALSTEADのHIGH TWIST WOOLは、日本の服地商社がWILLIAM HALSTEADから原反を買い付けて、日本にストックしている生地ですので、色柄数は限られますが、その分、生地のコストを抑えられ、オーダーの価格も抑えられていて、とてもリーズナブルでございます。

   

WILLIAM HALSTEADのHIGH TWIST WOOLは、通気性の高いサマースーツという特徴と同時に、強撚糸による生地の強い反発力により防皺性が高く、トラベルスーツとしても提案されている素材で、実際にシワにもなり難く、ご出張等にも重宝する素材でございます。

     

なので、パンツのオーダーも非常に多い生地でございます。

ザックリとしてシワになり難く、通気性があるので、夏のパンツにかなり人気の高い生地でございます。

  

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こちらは、FOX AIRのジャケットにWILLIAM HALSTEADのHIGH TWIST WOOLのパンツを合わせてオーダーいただきました。

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もちろん、私も同じ生地でパンツを持っておりますので、皆様にもお薦めしております!

     

ということで、今回は、日本の夏にも活躍するお薦めの素材としまして、以前のブログでご紹介しました
「日本の夏にFOX AIR」「日本の夏にLORO PIANAのZELANDER®Z-TWIST」に続いて、「日本の夏にWILLIAM HALSTEADのHIGH TWIST WOOL」をご紹介させていただきました。

     

亜熱帯のような日本の夏を少しでもストレスなく快適にお過ごしいただける素材として、ご参考になれば幸いです。

    

COLLABORATION STYLE 上原祥意