私がオーダーしたお薦めの生地 Cloth Ermenegildo Zegna CASHCO®

2024年もあっという間にゴールデンウィークに突入して、もう5月です!汗

私は、大学を卒業して以来、仕事柄、ゴールデンウィークに暦通りに休んだことはありませんが、休みたいと思ったことも無いので、ゴールデンウィークの楽しみを知らない大人になってしまいました。笑

東京・銀座は、25℃を超える陽射しの強い日があったかと思えば、雨が強くじめじめとした日があったりと、天候の変わりやすいこの頃でございます。

     

さて、今回も2024年春夏シーズンに私がオーダーした生地の中からお薦めの生地をご紹介させていただきます。

     

今回は、Cloth Ermenegildo Zegnaのコットンとカシミヤをブレンドした生地・CASHCO®(カシコ)でございます!

24SS_CASHCO_MARK_2.jpg

      

私が、CASHCO®(カシコ)という生地を初めて知ったのは、25年程前だったと記憶しております。

その時の、CASHCO®は、ヘビーウエイトのダイヤゴナルで、カジュアルアウターに使うような肉厚の生地でした。

Cloth Ermenegildo ZegnaのCASHCO®は、コットン&カシミヤの素材シリーズの名称で、ひとつの決まったクオリティの生地ということではなく、LORO PIANAのSUMMERTIMEがウール・シルク・リネンの様々な素材があるのと同じように、コットンとカシミヤをブレンドした様々なクオリティの素材がございます。

ちなみに、秋冬シーズンには、コーデュロイのCASHCO®もございます。

      

今回、私がオーダーしたCASHCO®(カシコ)の生地は、春夏シーズンの素材ということで、非常に目の細かいツイル(綾織り)で、コンポジションは、95%COTTON 4%CASHMERE 1%ELASTANE。目付は280~290gm/mでございます。  

コットンの生地は、春夏物の生地でも、ある程度、生地の厚みと重さがございますが、今回のCASHCO®は、イタリア製の生地らしく比較的軽めでございます。

      

カシミヤを4%ブレンドするだけで、100%Cottonの生地とは違う、とてもソフトな風合いに仕上がり、表面はうっすらと起毛していて、ふくらみ感があり、さらに、しっとりした滑り感もある、とても上質なコットン生地でございます!

硬くしっかりとしたコットンが苦手な方には、CASHCO®は着ていただきやすい生地だと思います。

   

今シーズンは、厳選された12色展開でご用意しております!

オフホワイトからベージュ、キャメル、ブラウン、ワイン、カーキ、オリーブ、ネイビーなどなど、コットンらしいカラーバリエーションで、どの色も良い色で迷ってしまいます!汗

24SS_CASHCO_FAB_1.jpg

24SS_CASHCO_FAB_2.jpg

   

そして今回、この中から私が選んだ色はこちら。

24SS_CASHCO_FAB_3.jpg

     

なんとなく、いつもと同じような色を選んでおりますが...好みなので仕方が有りません。笑
でも、とても良い色です!

     

   

ということで、仕上がったスーツはこんな感じでございます!!!

24SS_CASHC_2.JPG

     

見た目は、100%COTTONのスーツと変わりません。笑

24SS_CASHC_3_2.JPG

     

ピーチスキンのように薄っすらと起毛していて、タッチが非常にソフトで気持ちの良い生地ですが、意外とパリッとした張りと反発力があるので、コットンスーツとしては、比較的シワになり難いと思います。

24SS_CASHC_3_UP.JPG

     

これは、個人的にも意外な発見で、しばらく着ていても、他のコットンスーツよりは明らかにシワになり難いと思いました!

やはり実際に自分で着てみることで、いろいろと感じることが有りますね!

        

上質な生地ではありますが、シワにもなり難くラフに扱っても良い生地だと思いますので、ご旅行やご出張などに持って行かれても良いと思います。

手に持っていても、スーツケースに入れても、シワになり難く、多少シワになったとしても、雰囲気の良いシワ感だと思います。

ジャケットやパンツはもちろんお薦めですが、生地の特性を活かしてコートやカジュアルアウターを作っても良いじゃないかと、このブログを書きながら閃きましたので、今度ぜひ作ってみたいと思います!

     

素材としましては、COTTONとCASHMEREに加えて、ELASTANEが1%入っていますが、正直ストレッチはそれほど効いていないので、伸びる感じは強くありません。

コットンは、ウールなどに比べると、元々伸びない生地ですので、ELASTANE(ポリウレタン)をブレンドする生地はとても多いですが、それらの生地に比べても、それほどストレッチ性は強くありません。

どちらかと言うと、ELASTANE(ポリウレタン)を入れることで、生地に張りを持たせて、シワになり難くする効果の方か効いていると思います!

同じようなコンポジションで作られた生地でも、それぞれに特徴や特性があるので、生地は本当に奥が深いです。

    

今回のスーツのディティールとしましては、腰ポケットは、両玉縁のフラップ無しでございます!

24SS_CASHC_5_2.JPG

        

コットンスーツの場合、ジャケットの腰ポケットをパッチポケット(アウトポケット)にするお客様も多いですが、個人的にはスーツの場合は、両玉縁のフラップ無しで作るケースが多いです。(以前は、アウトポケットにすることも多かったです) 

約30年、いろいろなデザインでスーツやジャケットを作り続けてきた結果、今のスタイルに落ち着いております。

COLLABORATION STYLEを長年ご利用いただいているお客様は、ご自身のデザインやディティールが決まっているお客様も多いですが、デザインやディティールの好みは本当に人それぞれなので、自分のスタイルが決まるまでは、いろいろとチャレンジするのも良いと思います。

     

ビジネススタイルのカジュアル化やスーツ離れがコロナによって一気に加速した感はありますが、逆にビジネススタイルの自由度が増しておりますので、ビジネスでもカジュアルでも使える、コットンやリネンのスーツやジャケット、パンツなどのオーダーも増えております。

     

コットンやリネンの生地の種類も数えきれないほどたくさんご用意しておりますので、ご来店の際は、お気軽にご覧くださいませ!

     

ブログでは、今までも、いろいろなコットンスーツをご紹介しておりますので、併せてご覧いただけたら、さらに選択肢が広がると思います!

■FOX KHAKIのコットンスーツ

■コードレーンのスリーピースとシアサッカーのホワイトジャケット 

■コットンソラーロのスーツ 

■久しぶりに作ったコットンスーツはとても良い出来です!

     

ということで、今回は、私がオーダーしたお薦めの生地の中から、Cloth Ermenegildo ZegnaCASHCO®(カシコ)をご紹介させていただきました。

気が付けば、私自身、いろいろな生地ブランドのコットンやリネンのスーツが増えてきましたが、それぞれの生地に個性が有って、良さが有ります。

ショップには、常時、私がオーダーしたスーツやジャケットを展示しておりますので、実際に見て、触って、着ていただいて、オーダーする際のご参考にしていただけたらと思います。

      

COLLABORATION STYLE 上原祥意