早くも4月!新年度が始まりましたね。
そして、1年も1/4が終わりました。早い!
年のせいですね...笑
さて今回は、先日ご紹介しましたPIACENZAのALASHAN BREEZEに続きまして、2025年春夏シーズンに私がオーダーしたジャケット生地「LORO PIANA(ロロピアーナ)のSUMMERTIME」の特徴と魅力をお伝えいたします。
今回ご紹介するLORO PIANA(ロロピアーナ)のSUMMERTIMEは、春夏シーズンの超定番素材ウール・シルク・リネンの元祖的な生地です。
LORO PIANAでは、ウール・シルク・リネンがブレンドされた生地を総じてSUMMERTIMEという名称を付けております。
代表的な種類としましては、ツイル、トロピカル、ホップサック(メッシュ)、リネンツイード(サマーツイード)等がございます。
その中から、今回オーダーした生地は、49%WOOL・30%SILK・21%LINENのツイルでございます。
以前にも書きましたが、私の記憶が正しければ、この生地が、初めてLORO PIANAが作ったウール・シルク・リネンの三者混だと思います。20年以上のロングセラーです。
はじめはSUMMERTIMEではなく、TUAREG(トュアレグorチュアレグ)という名称でした。
気が付けば、私も長くこの仕事をしております。笑
私は今まで何着もSUMMERTIMEのツイルの生地でジャケットやスーツをオーダーしておりますが、2025年春夏シーズンにジャケットを作ろうと思って、いろいろと生地を見ていた時に、ビビッときた生地がこちらでございます!
2025年春夏シーズンの限定コレクション・PROPOSTE GIACCHE(プロポステ・ジャッケ)に収録されている生地でございます。
今年も、グリーン系の生地には目が行きますが、グリーン系でも今までオーダーしたことの無い、少し明るめで、グレイッシュなグリーンのベースに、ネイビーではなく水色系の色でチェックが入っていて、軽く、明るく、太陽の下で、きれいな色に映えるだろうなと思って選んでみました!
早速ですが、とても素敵なジャケットが出来上がりました!
仕立てのレーベルは、昨年の秋冬シーズンより受注をスタートしましたPURPLE LABELで、今回はさらに肩線と袖付け部分のイセ込み量を増やしたフルオプションでございます!
かぶせ衿による衿の吸い付きと、肩線・袖山のイセ込みの分量のアップにより、身体にフィットしつつも、軽く、着心地の良い仕上がりになっております。
とても手間がかかる仕立てですので、ここまでのクオリティのものを作る縫製工場は限られます。
特にマニカ・カミーチャによる雨降り袖の雰囲気は、かなり良い仕上がりだと思います。
BLACK LABELのマニカ・カミーチャもきれいですが、PURPLE LABELの方がイセ込みの分量が多い分、よりビスポークに近い雰囲気に仕上がっております。確実にレベルが高くなっております。
生地で見るよりも、ジャケットの形になると、より色が爽やかでございます!
私が着ていない日は、ショップに飾ってありますが、ご覧いただいたお客様には、なかなかご好評でございます!
この生地の特徴は、春夏シーズンの生地らしい明るく爽やかな発色と、シルクとリネンの糸やネップによる見た目の清涼感、そしてツイル織りによる上品な光沢でございます。
ツイル織りなので、生地の透け感や風の通り抜け感はあまりありませんが、軽さによる清涼感がございます。特に、COLLABORATION STYLEのジャケットに使用している毛芯は、メンズのジャケットの中でも、とてもソフトで軽い為、生地との相性も抜群です。
ちなみに、ウール・シルク・リネンのような生地を接着芯で仕立てると、生地の風合いが一気に損なわれ(硬くなり)、着心地も悪くなりますので、ご注意を!
こういった生地は、仕立ての良し悪しが良く分かります。
また今回、私が選んだ生地の他にも、SUMMERTIMEのコレクションは、きれいな色柄が揃っておりますので、ご紹介させていただきます。
まず、PROPOSTE GIACCHEには、私の選んだ生地の色違いを含め、15色のチェック柄が揃っております!
LORO PIANAらしい、絶妙の配色で、複雑に色を組みあわせた手の込んだチェック柄でございます!
PROPOSTE GIACCHEは、1シーズン限定のコレクションの為、シーズン中にどんどん品切れになっていきますので、気に入った生地がございましたらお早めにチェックしてみてください!
チェックなどの柄物のジャケット生地は、正に一期一会でございます!
SUMMERTIMEの生地は、PROPOSTE GIACCHEのコレクション以外に、定番のヘリンボン柄が2つのバンチブックに収録されております。
まずは、先日のブログでもご紹介させていただきましたMARE(マーレ)のバンチブックに9色揃えております。
このヘリンボンは、リニューアル前のバンチブックにも収録されていた長年定番の生地でございます。
もう一つは、LORO PIANAが取り扱いショップを限定して配布しておりますスペシャルバンチブックのCRUISE(クルーズ)の中に、きれいな色が7色揃っております。
また、CRUISEという名にふさわしい青い海や空に映える少し派手目なチェック柄も収録されております。本当に発色がきれいな素材です。
SUMMERTIMEのツイルは、スーツでもオーダーできる生地です。
私も、以前、こちらのヘリンボンのベージュでスーツをオーダーしております。
以前のブログでもご紹介しておりますが、このSUMMERTIMEのヘリンボンは、ジャケットだけではなく、スーツでオーダーされるお客様が多い生地です。
スーツで作っておいて、ジャケットとパンツを別々でお使いになるケースもあると思います。
私は、通常、スーツで作った場合はスーツとして着ることがほとんどで、ジャケットとパンツを分けて使うことがあまりありませんが、このSUMMERTIMEのヘリンボンの生地につきましては、他のパンツとコーディネートしてジャケットで着るケースもあります。
また、ウール・シルク・リネンのスーツは、コットンスーツやリネンスーツよりも高級感があり、少しラグジュアリーなカジュアルスーツですので、ウール系のビジネススーツとコットンやリネンのカジュアルスーツとの中間ぐらいの位置づけになります。
色柄は変化しながらも、信頼と実績のあるロングセラーの素材ですので、ぜひ春夏シーズンのジャケットやスーツをお選びになられる際にチェックしてみてください。
長年継続して作られている生地だけに、お客様の中には、知らないうちに選んでいて、着たことがあるかもしれませんね。
ということで、今回は、私が2025年春夏シーズンにジャケットで選んだ、LORO PIANAが誇るロングセラー生地・SUMMERTIMEの特徴とその魅力について書かせていただきました。
皆様の春夏の装いのご参考になりましたら幸いです。
着心地や風合いなど、実際に着用している経験からのご提案もさせていただきますので、どうぞお気軽にご相談くださいませ。
COLLABORATION STYLE 上原祥意