3月も半ばに差し掛かっておりますが、天気予報では、これからはどんどん暖かくなっていくようですね。
花粉もかなり飛んでいるようで、ご来店のお客様も結構大変そうにされております。
さて、今回は、2025年春夏シーズンに私がオーダーした着心地がとても軽く、艶のきれいな高級ジャケット生地「PIACENZA(ピアチェンツァ)のALASHAN BREEZE(アラシャンブリーズ)」の特徴と魅力についてお伝えさせていただきます。
PIACENZAのALASHAN BREEZEは、昨年の12月に、イタリアや英国を中心に2025年春夏シーズンの新作生地をチェックしていた中で、最初に目について、早々に取り寄せた生地です。特別感のあるクオリティに惹かれましたが、価格もジャケット生地の中では最も高級でした。
最高級のカシミヤの産地、アラシャン(ALASHAN)地方のカシミヤを使用し、夏のそよ風(BREEZE)のように爽やかで快適な生地という意味で、ALASHAN BREEZEでございます。
正に高級感と爽やかさ(軽さ)を表現したとても良い名前です。
生地の内容につきましては、以前のブログでもご紹介しておりますので、併せてご覧いただきたいと思いますが、今回は私自身がALASHAN BREEZEで、オーダーしましたジャケットが出来上がりましたので、実際に仕上がったジャケットをご覧いただいて、上質さと素晴らしさを感じていただければ嬉しいです。
改めて、私が選んだ生地はこちらでございます。
バンチブックを開くと上から2番目の生地で、ブルーのグレンチェックでございます。
コンポジションは、60%CASHMERE・32%SILK・8%LINENの3者混です。
春夏シーズンの定番素材、「ウール・シルク・リネン」のウールの部分を、最高級のカシミヤに変えた贅沢な素材でございます。
目付は、なんと180g/mとシャツ生地並みの軽さでございます。
ただ、シャツ生地並みの軽さでも、ジャケットやパンツに耐えられるような生地に仕上げているのは、PIACENZAの凄い技術でございます!
私としましては、ジャケットで着るのが断然良いと思いますが、PIACENZA社は、しっかりと「IDEAL FOR SUITS & JACKETS」とバンチブックに記載しておりますので、スーツの生地としてもお薦めしております。
憧れの最高級ジャケット生地・ALASHAN BREEZEでオーダーしたジャケットが、こちらでございます。
我ながら爽やかなジャケットに仕上がりました。
写真で見ても、きれいなブルーの発色と光沢が分かると思います。
そして、着心地は抜群に軽いです。
今回作製したジャケットのモデルは、2024年秋よりスタートしましたPURPLE LABELのフルオプションで、ディティールは、3つボタン段返り、マニカ・カミーチャ(シャツ袖)、アンコン大見返し、胸ポケットはバルカ、腰ポケットはアウトポケット、サイドベンツで仕上げました。
COLLABORATION STYLEのジャケットは、軽さと柔らかさが大きな特徴ですが、今回はさらに軽いジャケットに仕上がりました。
シャツジャケット並みに軽くて薄いですが、しっかりと立体感がございます。
今回のコーディネートは、
シャツ:COLLABORATION STYLE MTM / 生地:THOMAS MASONのコットン・リネン
タイ :ATTO VANNUCCI
パンツ:COLLABORATION STYLE MTM / 生地:カノニコ 100%WOOL
シューズ:YUKI SHIRAHAMA BOTTIER BESPOKE
の、ALL COLLABORATION STYLEでございます!
もう少し夏に近づけば、白パンツとのコーディネートは鉄板ですね。
涼しげなリネンのシャツも間違なくお薦めです。
今回作りましたジャケットのフラワーホールは、ハンドで仕上げております。ナポリのサルトのジャケットに良く見られるティアドロップ型と呼ばれる形状です。見る人が見れば分かるくらいの控え目なディティールがちょうど良いです。当店でも、徐々にご注文が増えているディテールです。
PURPLE LABELは、袖山のイセの分量を増やしておりますので、とても理想的なマニカ・カミーチャ(シャツ袖)になっています。
今回、ALASHAN BREEZEの生地でジャケットを作る際に、候補に挙げた素晴らしい色柄が他にもたくさん有りますので、ご紹介させていただきます。
まずは、今回作ったジャケットの色違いで、個人的に大好きなグリーンのグレンチェックです。
英国調のグレンチェックも、グリーンも、どちらも今の気分(トレンド)ですね!
また今回は、最終的にグレンチェックを選びましたが、細い糸で織り上げられた目の細かいホップサックも、とても良い風合いなので、かなり迷いました。
ブルー系、ブラウン系、グリーン系はもちろん大好物の色ですが、ダークパープルやダークグレーもカシミヤブレンドならではのきれいな色でございます。
使用している原材料がとてもクオリティが高いので、いろいろな色が上品に表現されています。発色がとても繊細できれいです。
もし、南イタリアのアマルフィあたりに別荘でもあれば、太陽の下でオレンジのジャケットなんかも着てみたいですね。
そして、このブラックはかなり格好良いんじゃないでしょうか。
この生地でしたら、「夏の黒」を作ってみたいですね。
ブルー系やブラウン系などを既にお持ちのお客様は、ぜひ次は夏の黒でございます。
そして、ツイルの生地は、さらに光沢があって、発色もきれいです。
ツイルの生地もブルー系やブラウン系が人気ですが、グリーンやオレンジなどもきれいです!
この他にも、ALASHAN BREEZEのコレクションは、チェック柄が全15色、ホップサックが全17色、ツイルが全28色の合計60色のバリエーションをご用意しておりますので、きっと2着目、3着目とオーダーしたくなります。
以前のブログでも生地を載せておりますので、併せてチェックしてみてください。
ということで、今回は2025年春夏シーズンに私がオーダーした着心地がとても軽くて艶のきれいな高級ジャケット生地「PIACENZA(ピアチェンツァ)のALASHAN BREEZE(アラシャンブリーズ)」の特徴と魅力についてお伝えさせていただきました。
間違いなく、春夏シーズンでは、最高級で極上のジャケットでございます。
価格もトップクラスではございますが、見れば見るほど素晴らしい生地ですので、ぜひ皆様のジャケットの候補に入れていただけましたら幸いです。
恐らく、アットリーニやキートン、ブリオーニあたりですとジャケットで100万円は余裕で超えて、150万円くらいになるかもしれませんが、当店ですと、その1/3~1/5のとても現実的な価格で、体に合ったものをオーダーいただけます。
今回、私の作ったジャケットは、ショップに置いてありますので、ご試着も可能です。
ぜひ見て触っていただき、その良さを実感されたら、きっと欲しくなると思います。
COLLABORATION STYLE 上原祥意