東京・銀座は久しぶりに良い天気が続いております。
本来は、今年開催される予定でした東京オリンピックに向けて、長らく工事をしておりました東京メトロのコンコースもほぼ工事が終わり、非常に広々ときれいになっております！
銀座に来られた際には、地下を歩いていただくのも良いかと思います。
さて、10月ももう終わりですが、ご紹介したいことが山ほどありますので、頑張ってまいります！汗
今回ご紹介させていただきますのは、前回ご紹介させていただきましたdalmo cashmereのオーダーカシミヤニットに続きまして、2020年秋冬シーズンに新しくスタートするアイテムをご紹介させていただきます。
そのアイテムとは、ダブルフェイスの生地を使用しました一枚仕立てのビスポークジャケットとコートでございます！！！
いわゆる、テーラーやオーダーショップで作られているアンコン仕立てや大見返しと言った見返しがある仕立てとは違い、ダブルフェイス（リバーシブル）の生地を使用した見返しの無い一枚仕立てでございます。
アンコンや大見返しと呼ばれる仕立て
大きな見返しがあるので、大見返しです
このアンコンや大見返しの仕立てを「一枚仕立て」と言っているお店もありますが、COLLABORATION STYLEでは、あくまでもアンコンや大見返しと一枚仕立ては区別しております。
一枚仕立ては、ダブルフェイスの厚みのある生地を使用して、芯地を使用せず、見返しが無く、生地一枚で仕立てたものを言います。
中は、このような感じになります
この一枚仕立ては、COLLABORATION STYLEが、マシンメイドで使用している工場では作ることが出来ないので、ハンドメイドのビスポークで承ります。
まず、簡単にダブルフェイスの生地についてご説明させていただきます。
ダブルフェイスやリバーシブルと言われている生地は、いわゆる表面も裏面も洋服の表面として使用できる生地で、2枚の生地を縫い合わせたり、貼り合わせたりした生地のことを言います。
オモテもウラもフェイス（オモテ）ということです。
ダブルフェイスの生地の構造としましては、2枚の生地の裏同士を部分的に縫い付ける「二重織」という方法で作られた生地と、ポリウレタン樹脂などを接着剤として使用し2枚の生地を張り付ける「ボンディング」という方法で作られる生地の、主に2種類の生地をございます。
バンチブック等で取り扱っております生地ブランドの中にも、「二重織」と「ボンディング」のダブルフェイス生地がありますが、近年は「二重織」の特性を生かす一枚仕立てが出来る工場がほとんど無い為、「ボンディング」で作られたダブルフェイスが増えていると思います。
今回ご紹介するジャケットとコートは一枚仕立てになりますので、使用するダブルフェイスは、「二重織」のものになります。
一枚仕立てで作るには、まずこの「二重織」のダブルフェイス生地の縫い代部分を丁寧に剥離します。（二重になっている生地の端を1cmほど割いて開きます。）
その2枚に剥離して分かれた生地のそれぞれ半分（5ｍｍ）を内側に織り込んで、手でまつります。
文章で書くと、何を言っているのか分かり難いですが...（汗）
このように生地の端が5ｍｍほどふっくらとした状態になります。
基本的に、身頃でも、袖先でも、ポケットでも端になる部分は、このような処理を施します。（これが、ダブルフェイスの一枚仕立ての特徴のひとつでございます。）
この技術は、通常スーツ等を作っている工場では難しいので、オーダーができるお店は少ないと思います。
そのような高い技術が必要なダブルフェイスの一枚仕立てのジャケットとコートを、ハンドメイドのビスポークを担当している職人の協力により、2020年秋冬シーズンより、受注をスタートしましたので、ご興味のあるお客様はどうぞお気軽にお問合せくださいませ！
ショップには、皆様にご覧いただけるサンプルを2着ご用意しております。
COLOMBO社の90%WOOL＆10%CASHMEREで、キャメルカラーとオフホワイト（ベージュ）のダブルフェイスを使用したジャケットです。
ダブルフェイスでは、良く見る色の組み合わせでございます。
身頃と見返し（衿）の色が変わるので、見ただけでダブルフェイスの一枚仕立てと分かる1着です。
ビスポークなので、ディティールは自由自在です！
このCOLOMBO社のダブルフェイスの生地は、約225g/mの生地を2枚二重織にした450g/mの生地になります。
通常450g/mと聞くと、コートでも使える重さの生地ですが、一枚仕立てにすると芯地や肩パッド等を全く使用しないので、ふんわりとした軽いジャケットになります。
続いて、同じくCOLOMBO社の90%WOOL＆10%CASHMEREを使用したフォレスティエールタイプのジャケットです。
これも、世の中にはなかなか無いジャケットです！
休日に軽く羽織って着ている人を見かけたら、職業柄、目で追ってしましますね。笑
ハンドメイドで、箇所箇所が柔らかく縫われているので、とてもラグジュアリーな雰囲気が出ております！
コートにつきましては、現在、格好良いサンプルを作製中でございますので、出来上がりましたら、改めてご紹介させていただきます。
ダブルフェイスの生地は、バンチブック（生地見本帳）ですと種類が少ないですが、現在、ショップには、職人がイタリアから直接仕入れたダブルフェイスの生地をいくつかご用意しておりますので、ご紹介させていただきます。
サンプルジャケットで使用した生地と同じカラーのCOLOMBO社の90%WOOL&10%CASHMEREで、こちらは640g/mありますので、コートに良いですね。エレガントで少し女性っぽい雰囲気ですね！
同じくCOLOMBO社の90%WOOL&10%CASHMEREの生地で、片側がグレンチェックになっている生地です。こちらは、500g/mになります。どちらを表に選ぶかはお客様次第です。
キャメルカラーよりも明るいベージュの生地もございます。この色もなかなか無いですね！
こちらのブラックは、COLOMBO社の100%CASHMEREのダブルフェイスになります。目付は640g/mなので、かなり素晴らしいコートに仕上がると思います。こちらは、両側同じ色の生地のダブルフェイスになりますので、衿の色が変わるのが好みでは無い方には、このタイプがお薦めです！
こちらのネイビーは、AGNONA（アニオナ）の100%CASHMEREのダブルフェイスで、目付は560g/mになります。これも、通常の生地バンチでは見ない生地なので、貴重です！こちらも両側同じ色になります。
どれも素晴らしい生地ばかりですね！
現在、ショップにストックしている生地以外の色やクオリティの生地もご用意することが出来ますので、お気軽にお問合せくださいませ。
近々、職人が、なんとVICUNA（ビクーニャ、ビキューナ）のダブルフェイスの生地を持ってくるということなので、楽しみです！！！ （そんな生地見たこと無いので！）
ダブルフェイスの生地を使用した一枚仕立ての特徴は、生地が二重になることの暖かさと、芯地や肩パッドなどを使用しないことでの軽さや、きれいなドレープ感でございます。
価格も、ジャケットで￥290,000(税抜)～、コートで￥350,000(税抜)～なので、通常のビスポークよりもリーズナブルにオーダーいただけます。
また、今回ご紹介したような一枚仕立てのジャケットやコートは、レディスのブランドでは良く見るアイテムですので、女性のお客様のオーダーも承ります！！！
お客様の奥様や娘様などから、レディスのオーダーにつきまして度々お問合せをいただいておりますが、現状COLLABORATION STYLEでは、職人による「ビスポーク」「一枚仕立て」「ワンピース」は、レディスのオーダーを承っておりますので、ご興味のある方はお気軽にお問合せください。
そして、ビスポークを担当している職人は、なんと毛皮も作れますので（作った毛皮は某百貨店などで販売されております）、特に女性のお客様のコートの衿や袖などに、部分使いすることもできます！
という感じで、今回も長々と書かせていただきましたが、2020年秋冬シーズンより、新たにダブルフェイス生地を使用した一枚仕立てのジャケットとコートのオーダーをスタートいたしましたので、ご興味のある方は、ぜひショップにて実際に見て触ってご覧くださいませ。
尚、ダブルフェイスの一枚仕立てにつきましても、ビスポークと同様に完全予約制になりますので、ご希望のお客様は、まずはお気軽にご連絡ください。
さてさて、今年ももう11月ですね！汗
まだまだ良い物ご紹介しますのでお楽しみに！
COLLABORATION STYLE 上原祥意
