Senza Interno Baby Cashmere Bespoke Jacket

1月も半ばを過ぎて、東京も冬らしい日が続いております。
ウールのコートがちょうど良い気候なので、洋服好きの皆様にとっては、冬のオシャレを楽しんでいるのではないでしょうか。
四季のある日本は、やはりある程度メリハリがあるとオシャレも楽しめますね。

さて、今回ご紹介するお客様は、この冬の季節に好きな洋服をお召しになるために、昨年の春から様々なアイテムを計画的に準備されていたお客様のご紹介です。

ジャケット、パンツ、ニット、シューズetc...今シーズンのオシャレの為にコーディネイトを考えながら、いろいろなアイテムを揃えられていて、COLLABORATION STYLEにおきましては、ジャケットとパンツ2本をオーダーいただきました。

その中から、今回はBespokeでオーダーいただきましたジャケットをご紹介させていただきます。 

元々、イタリア・ナポリのサルトの洋服を好んでオーダーされていたお客様ですが、ここ数年は、コミュニケーションが上手く通じる、日本の職人へのオーダーが増えてきたとのことです。

今まではイタリアのサルトにオーダーしていた洋服好きのお客様も、最早イタリアに引けを取らないどころか、イタリアよりも技術力があり、イタリアの雰囲気も出せる、技術とセンスのある日本人の職人へのオーダーが増えていると思います。

 

今回は、ナポリの雰囲気が好きなお客様なので、COLLABORATION STYLEをサポートしてくれている職人W氏のBespoke Jacketでご注文いただきました。

生地は、CaccioppoliのBaby Cashmere(ベビーカシミヤ)!

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1着目からむちゃくちゃ高級な生地でございます!!!汗

 

そして、仕立ては芯地や肩パッドを省いたSenza Interno(センツァ・インテルノ)です。

1着目から、むちゃくちゃ難しい仕立てです!!!汗

 

そして、お客様のご希望のフィッティングやディティールなど、リクエストの難易度が高いです!!!汗

 

しかし、お客様もオーダー慣れされているので、その辺はもちろんご承知ということで、まずは別の生地で、仮縫いを行うことにしました。


ということで別生地にて1回目の仮縫いです。

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お客様の好みもナポリ仕立てで、W氏の仕立てもナポリ仕立てなので、1回目の仮縫いから好感触!です。

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1回目でサイズや雰囲気など、お好みに合った出来栄えに、お客様にもとても喜んでいただきました。

やはり、Bespoke(ビスポーク)であっても、お客様と職人(サルト)の相性は重要です!
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そして数週間後...

別生地での仮縫いの1回目で、大きな問題が無かったので、本番の生地(ベビーカシミヤ)で仮縫いです!

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1回目の仮縫いに使用した別生地よりも、本番の生地は、420g/mのフワッとしたボリュームのある生地なので、まずはその風合いの違いによるサイズ感、着心地などをチェックしていきます。
Baby Cashmere(ベビーカシミヤ)は非常にデリケートな生地なので、新調にチェックしていきます。

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お客様は、仮縫い時には必ず、コーディネイトでお考えのニットを着用されて、仮縫いに臨んでいただけます。(仮縫い時は、真夏で暑かったのですが...良いモノを作るためです。)
お客様も着心地や雰囲気が解かりやすくなりますし、サルト(職人)もフィッティングの精度が上がります!
お客様にとっても職人にとってもとても良いことで、より良い洋服を作りたいというお客様の思いも伝わります。

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お客様とのコミュニケーションをとって、好みを把握しながら、フィッティングのチェックを行います。

 

特に今回のお客様は、モノへのこだわりが高い方なので、細部にわたりいろいろと決めていきます。

ゴージの高さ、ゴージの角度、衿の巾、胸のバルカポケットの形状、腰のパッチポケットの形状、マニカカミーチャの袖付の雰囲気、フロントカットの丸み、裏のダーツの始末の仕方、身返しの大きさ・仕様、カラークロスの仕様、裏地の色、釦の色などなど...通常は職人にお任せの部分まで、本当に細部にわたり、いろいろな部分を決めていきながら進めていきました。

 

 

数週後...

フロントのポケットを作った状態で、中縫いを行いました。

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通常、ポケットに加えて身返しも付けた状態で中縫いを行いますが、今回はより細部にわたる確認ポイントが有ったため、一度、身返しを付けない状態で行いました。

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今回の生地は、とても高級でデリケートな生地なので、ちょっとしたことでも、着心地や補正が変化するので、非常に神経を使っております。

その甲斐もあって、フロント、サイド、バックともとても良い感じのフィッティングになっております。

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そして、またまた数週間後...

身返しも付けた形で、中縫いを行い、ほとんど問題無しです!

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私が見る限りは全く問題ありませんが、お客様の気になるポイントがありまして、それを確実にするために、最後の中縫いを行うことになりました。

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そして、ついに最終フィッティング!

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もうほとんど完成です!あとは、釦ホールを開けて、釦を付けるだけです!

とても良い感じです。

2種類のニットでそれぞれのフィット感もチェックです!

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最後に釦位置、釦間隔、釦の付け方、釦ホールの形状などお客様からの最終のリクエストをいただいて、フィニッシュに向かいます。

 

そして、数日後...

ついに完成です!フィニッシュです!フィニートです!

最終のチェックをしながら出来上がりです。

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ものすごく柔らかい生地で、今のはやりの言葉で言うと「モフモフ」のジャケットです!

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しかも、芯無し、肩パッド無しのSenza Interno(センツァ・インテルノ)のなで、内側で支えてくれる芯がありません。

それでも、きれいに構築されたジャケットに仕上がっております。

きれいに構築されていますが、触るとモフモフで、着るとものすごく軽く柔らかいです。

素晴らしい出来栄えです!

衿の返りもナポリ風です!

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バックスタイルもきれいです!

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生地も高級感があるので、本当にきれいです。

 

今回、1着目ですが、3着分くらいの仕事をして仕上がりましたので、1着目から申し分なく100点です!!!

通常、オーダー服というのは、出来上がりが100点では無く、お客様に着ていただいて、身体に馴染んでいって、そのお客様だけの100点の洋服になっていくものですが、今回は100点に仕上がった洋服がお客様に着ていただいていくうちに、120点になる洋服に仕上がりました!!!

後日、お客様からご満足いただいているメールが届きました!

また1着、良い洋服をお作りすることが出来ました。感謝!感謝!です。

 

 

今回は、素材、仕立て、お客様のこだわりなど、いろいろと最高レベルの難しさが重なった特別なケースの為、時間をかけて複数回の仮縫い、中縫いを行いました。

通常、COLLABORATION STYLEで承っていますBespoke Jacket、Bespoke Suitは、仮縫い1回、中縫い1回で仕上がりますので、ご興味のあるお客様はお気軽にお問合せください。

COLLABORATION STYLEでは、BLACK LABELがメインで最も多くのオーダーをいただいておりますが、お客様のご要望に応じて様々なモデル(ライン)をご用意しておりますので、お気軽にお問合せくださいませ。

もちろん、ショップにはご試着いただける洋服もご用意しておりますので、お気軽にご来店ください。

 

COLLABORATION STYLE 上原祥意