緊急事態宣言が解除されて約10日が過ぎましたが、銀座の夜も、少しずつですが、人が戻ってきてる感じがします。
先日、ものすごく久しぶりに取引先の社長と銀座のお寿司屋さんで会食をしましたが、寿司屋の社長さんが「明けましておめでとうございます」と言っておられました。
このまま、年末年始もWithコロナで行って欲しいですね!
さて、今回も2021年に新しく登場しました生地をご紹介させていただきます。
今回は、コロナの影響があり、日本だけではなく、世界的にビジネススタイルが大きく変化する中で、イタリアの生地メーカーを中心に、今年一気に増えている素材「ジャージー」のご紹介でございます。
今まで、ポリウレタンなどを1~2%ブレンドしたストレッチ素材や、生地の織り方の技術で弾力を出したナチュラルストレッチ素材が、機能性素材として、オーダー用の生地でもたくさん展開されておりますが、今年はさらに、「織物」ではなく「編み物」でありますジャージー生地が一気に増えております。
既製品では、オーダーよりも一足も二足も早く、既に多くのブランドで、ジャージー生地のスーツやジャケットが展開されておりますので、Tシャツにジャージージャケットという組み合わせで仕事をされている方も増えていると思います。
オーダーの生地としましても、数年前からジャージー生地は少しずつ増えてきたと思いますが、ジャージー生地を縫製できるオーダースーツ工場が無かったり、縫製可能な工場でも出来が悪かったりというインフラ面や技術面の問題と、どうしても既製品からの「ジャージー=安価で簡単な洋服」というイメージがあるので、COLLABORATION STYLEを含め、クラシックでクオリティの高い洋服を取り扱っているお店では見向きもされなかったと思います。
ただ、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大により、ビジネススーツの需要の減少、及びビジネススタイルのカジュアル化などに対する、生地メーカーの新しい素材の提案として、オーダー用の生地としても一気にジャージー生地の供給が増えております。
今シーズン、COLLABORATION STYLEで取り扱いのある生地ブランドでは、LORO PIANA、PIACENZA、Ermenegildo Zegna、DRAPERS、Caccioppoli、VITALE BARBERIS CANONICO、gruppo dondiなどがジャージー生地を展開しておりますが、今回は、その中から、ラグジュアリーなカシミヤジャージーのコレクションをご紹介させていただきます!
今回、ラグジュアリーなカシミヤジャージージャケットを皆様のご紹介するにあたり、サンプルジャケットを作成する為に選んだ生地は、PIACENZA(ピアチェンツァ)の"CLUB HOUSE" Alashan Cashmere Jersey(アラシャン カシミヤ ジャージー)という生地でございます。
LORO PIANAと並ぶ、イタリアの老舗高級カシミヤメーカーでありますPIACENZAにより、今シーズン、新しくコレクションされた生地で、いわゆる最高級のカシミヤと呼ばれる、内モンゴルのアラシャン地方で飼育されているカシミヤを贅沢に使用したジャージー生地でございます。
詳細なコンポジションは、88%のカシミヤに12%ナイロンをブレンドしたダブルジャージー生地で、少し生地に張りを持たせております。
カラーは、きれいなグラデーションで19色ご用意しております。
ベージュ~ブラウン、グリーン、ブラック。
ブルー~ネイビー~ライトグレー~チャコールグレー。
とても上品な雰囲気で、ドカジュアルなジャージーとは一線を画す上質な素材でございます。
今回、このコレクションの中から、少しグレーがかったネイビーの生地で、ジャケットを作りました!!!
自分で言うのもなんですが、とても良いですね!!!汗
画像では分かり難いかと思いますが、オーダースーツの工場で、このレベルのジャージージャケットを作ることの出来る工場は少ないと思います。
ソフトな雰囲気が出ていて、とてもリラックス感がありながらも、高級感のあるジャケットに仕上がっていると思います。
正にラグジュアリーなジャージージャケットです!
コーディネイトしているタートルネックは、dalmo cashmereのカシミヤニットでございます。
CASHMERE ON CASHMEREでございます!!!
より軽さと、リラックス感を出すために、背裏を付けない、アンコン(大見返し)仕様で、毛芯や肩パットは使わず、いわゆるセンツァインテルノで仕立てております。
袖裏を付けない仕様で販売されているジャージージャケットも多いと思いますが、こちらのジャケットは、LORO PIANAのショップで展開されております、とてもラグジュアリーなセータージャケットを真似して、袖裏は付けております。(袖裏無しのオーダーも可能です)
カシミヤで、しかもジャージー(ニット)生地なので、決して安い価格の商品ではありませんが、こんなジャージージャケットだったら自分でも着てみたいし、クラシックなジャケットがお好きなお客様にもお薦めしたいですし、今まで休日にカジュアルなジャケットを敬遠されていたお客様にもお薦めしたいジャケットでございます!
私も含め、クラシックな洋服が好きな方々から見ると、どうしても、「ジャージー=安価で簡単な洋服」のようなイメージがありますが、今回ご紹介しましたカシミヤジャージージャケットは、肩の力の抜けた高級な大人のカジュアルジャケットに仕上がりました!
日本ですと、カジュアルの洋服はビジネスシーンの洋服よりも、クオリティも価格も安いモノで揃えられる場合が多く、欧米に比べて、ラグジュアリーカジュアルの需要が少ないと思いますが、COLLABORATION STYLEとしましては、カジュアルスタイルにおきましても、クオリティの高い洋服をご提案していきたいと思っております。
ということで、PIACENZAのCLUB HOUSEを使用しましたカシミヤジャージージャケットをご紹介させていただきましたが、今シーズンは、他の生地メーカーのジャージー生地もたくさん入荷しておりますので、ざっとご紹介をさせていただきます。
まずは、PIACENZAと同じく、2021年秋冬シーズンにJERSEYのコレクションを発表しましたLORO PIANAから。
LORO PIANAのJERSEYは、大きなボックスに42種類のコレクションが入っております!
まずは、"CASHMERE DOUBLE"と名付けられた96%カシミヤ&4%ナイロンのダブルジャージー生地でございます。PIACENZAのカシミヤジャージー生地よりも少し肉厚で、ボリューム感があります。
6色ご用意しております。
続きましては、最高品質のロットから生産されたトップレベルのカシミヤをライスステッチと呼ばれる特殊な編立技術で編み上げられた、まるでカシミヤのニットのような風合いの生地です。
5色ご用意しております。
SUNSETと呼ばれる52%シルク・48%カシミヤのシリーズにも、ジャージー生地が登場しました!
メランジ調のジャカード編みで編み上げられた生地は、無地で4色ご用意しております。
92%カシミヤ・8%シルクのSUNSETシリーズは、ハウンドトゥースとヘリンボン柄でご用意しております。
2色のみ、540~600g/mのコート生地として、88%Super170'sWool,10%Cashmere&2%Nylonの"CASHMERE WISH"のジャージー生地がございます。
ニットのような柔らかい柄のガングラブチェックは100%ウールのジャージー生地です。
こちらも100%ウールで、クリアカットのジャカード編みで編み上げられた発色のきれいなジャージー生地です。5色ご用意しております。
表と裏の色のコントラストがきれいな、ウール&ナイロンのクリアカットのダブルジャージーは、6色ご用意しております。
385~425g/mのしっかりと肉厚な生地なので、ジャケットだけではなく、リラックス感のあるスーツでも良い感じです!
スーツ生地として提案されているウール・ナイロン・ポリウレタンのダブルジャージーは、ストライプで3色ご用意しております。
最後にご紹介するのは、LORO PIANAの定番生地・ZELANDER(ジランダー)の糸を使用した、肉厚ながらクリアカットで、クリスピーな表情が特徴のジャージー生地でございます。ネイビーとチャコールグレーの2色をご用意しております。
以上、LORO PIANAは、クオリティも色柄も、かなり豊富なジャージー生地のコレクションをご用意しております!
続きましては、DRAPERSのGOLDEN SELECTIONに収録されている2種類のジャージー生地をご紹介させていただきます。
ジャージー生地以外のGOLDEN SELECTIONの生地は、前回のブログでご紹介させていただきましたが、1シーズン限定の生地として、ジャージー生地もカラーバリエーション豊富に収録されております。
まずは、BLAZONやTOP LINEなどでも使用されている上質なSUPER150'Sのウールを使用し、密度高く410g/mで編み上げられた、クリアカットのジャージー生地でございます。
トロっとした風合いと光沢のある5色の生地をご用意しております。
続いては、一見ジャージー生地には見えない、フランネルのジャージー生地です。
385g/mで編み上げられた生地は、他のジャージー生地よりも横伸びが弱めでしっかりとしているので、スーツでもジャケットでもパンツでも、使いやすい生地だと思います。
色は豊富に、12色ご用意しております。
ということで、今回はPIACENZAの"CLUB HOUSE"を使用しましたラグジュアリーなカシミヤジャージージャケットと、LORO PIANAとDRAPERSのジャージーコレクションをご紹介させていただきました。
今回も相変わらず長いブログになってしまいましたが、ご覧いただきましてありがとうございます。
2021年秋冬シーズンは、今回ご紹介しましたジャージー生地以外にも、まだまだたくさんのジャージー生地がございますので、ご興味のあるお客様はお気軽にショップにてご覧くださいませ。
新型コロナウイルスの影響により、アパレル業界、オーダースーツ業界も、今まで以上に変化が求められて、実際に今までにないスピードで新しい素材が登場したり、新しいオーダーアイテムを開発しております。
今回ご紹介しました、ジャージー生地のトレンドは今後も続いていくと思いますが、COLLABORATION STYLEとしましても、クオリティの高いクラシックな洋服をさらに極めていきながらも、ラグジュアリーな大人のカジュアルアイテムもご提案していきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
COLLABORATION STYLE 上原祥意