東京は今年もすでに梅雨入りしました。そして、また暑い夏がやってまいります。
梅雨も猛暑も好きな方は少ないと思いますが、そんな気候でも気分を上げてくれるのは、快適で着心地の良い洋服です。
今回は、日本の夏の装いを楽しくしてくれるナポリの老舗マーチャント、カチョッポリ(Caccippoli)から届いた、2026年春夏シーズンの新作シャツ生地をご紹介いたします。
カチョッポリのシャツ生地は、毎シーズン楽しみにされているお客様が多く、日本全国からお問い合わせをいただく人気のコレクションです。
今回は生地だけでなく、私がオーダーしたシャツも併せてご紹介しますので、皆様のオーダーの参考になりましたら幸いです。
涼しさや着心地を重視したコットン・リネンやゼファー、夏らしいリネンやプリント生地、上品な印象のポプリンやバティストまで、素材ごとの特徴とコーディネート例を交えながらご紹介してまいります。
カチョッポリの春夏シーズンのシャツ生地は、4冊のバンチブックがございます。
1冊は様々な素材の無地を集めたバンチブックで3~4年継続されます。その他の3冊は、毎年編集し直され、新しいバンチブックが届きます。
今でこそ、ロロ・ピアーナ、ソルビアッティ、アルビニ、カルネといった海外のメーカーやマーチャントのバンチブックも増えておりますが、カッチョッポリのシャツ生地はコラボレーションスタイルの創業時から長年取り扱っている人気の高いコレクションでございます。
今回は、バンチブックNO.2061~2063の3冊から、人気の高い代表的な生地を素材ごとにご紹介します。
春夏のカチョッポリを代表する素材のひとつが、コットン・リネン(綿麻)です。
120番手のコットン68%にリネンを32%ブレンドした生地で、さらりと軽く、涼しい着心地が魅力です。ストライプを中心に、幅や色の組み合わせが豊富で、爽やかさの中にもナポリらしい鮮やかさがあります。
私もとても気に入っている素材で、これまで色柄違いで何枚もオーダーしてきました。
発色がとてもきれいで清涼感があり、スーツやジャケットに合わせても、一枚でさらっと着ても様になる生地です。
オリーブグリーンのボールドストライプとオートミールカラーのリネンパンツのコーデ。
ブルーのギンガムチェックとネイビージャケットのコーデ。シワも目立ちにくく、汗の乾きも早いので、夏のジャケットスタイルにも使いやすい生地です。
100%コットンのシアサッカーは、畝の太さの違う2種類の素材が揃っています。
リネンが苦手な方にも取り入れやすく、夏のカジュアルシャツにおすすめです。
私は、白のシアサッカーで、バンドカラーのプルオーバーシャツを作りました。
シワになりにくく、ラフなスタイルにも自然に馴染みます。
軽くて薄い100%リネンに多彩な柄をプリントした生地は、カチョッポリならではのバリエーションの豊富さが魅力です。毎年柄が入れ替わり、そのほとんどが品切れする人気素材です。
現在のプリント技術はどんな柄でも表現出来るため、次から次へと新しい柄が作られ、同じ柄が継続されることは少ないです。その分、他の人と柄が被ることがほとんど無いので、気に入った色柄が見つかれば早めのオーダーがおすすめです。
仕上がったばかりのシャツもきれいで格好良いですが、何度も洗っていくと、生地が柔らかくなり柄も薄くなっていき、良い味が出てきます。
リネンのシャツ生地はどの生地商社も無地の品揃えが多いですが、カチョッポリではストライプを中心に、爽やかで鮮やかな色柄が揃っています。
私がプライベートで着ているリネンシャツも、ほとんどがカチョッポリの生地でオーダーしたものです。カラフルでありながら、悪目立ちしないのもリネン素材の魅力です。
生成りベースに太めのブラウンストライプが入ったリネンシャツとオートミールカラーのリネンパンツの同系色で揃えたナチュラルコーデです。リネンシャツはきれいな中にもリラックス感が出ます。
明るめのグリーンのロンドンストライプのリネンシャツとコットンのホワイトパンツのコーデ。グリーンとホワイトはとても好きな組み合わせです。
ジャケットを羽織っても涼しげです。
リネンだけでなく、コットンのプリント生地も充実しています。コットンの織り組織の違いによっても雰囲気が違い、毎年色柄も変わります。
こちらも同じ柄が継続されにくい生地ですので、気になるものがございましたら、ぜひお早めにお声掛けください。
・ゼファープリント
ゼファーはポプリンよりも織りの密度が粗く、薄く軽い平織りの生地です。今年は水彩画のような芸術的な柄が多いです。薄手ならではのやわらかな表情が、涼しげな雰囲気を引き立てます。
・ポプリンプリント
ポプリンプリントは、たくさんの色が使われた明るくポップな柄が揃っています。
・ツイルプリント
柔らかくしっとりとしたツイル生地のプリントは、少し掠れ調の大人っぽい雰囲気の柔らかい色柄です。
・パナマプリント
太めの糸でざっくりと粗めに織ったパナマ生地は、ペイズリーと花柄で3色。
春夏の最もベーシックなシャツの素材・ポプリンは、糸の太さ(糸番手)の違いで3種類のクオリティがございます。
・170/2-170/2
170番手の高級素材は、イタリアらしくベーシックなブルーのストライプが5色。上品なスーツスタイルには欠かせない生地です。こうしたブルーのシャツをさらっと着ている大人は格好良いものです。
実際、私が訪れたイタリアのクラシックな洋服屋でも、店頭に並ぶシャツの多くはブルーでした。それほどイタリアでは、ブルーのシャツが定番として愛されています。
・120/2-120/2
120番手のポプリンは、パステルカラーのロンドンストライプと爽やかなブルーのストライプとチェック柄が揃っています。
・120/2-70/1
120番手双糸の経糸と70番手単糸の緯糸で織られたポプリンは、インパクトの強いボールドストライプをはじめ、いろいろな幅のストライプをカラーバリエーション豊富に揃えております。
目が詰まった生地なので、ストライプの色もはっきりと出て、クラシックなスーツスタイルに相性が良いです。
バティスト(バティスタ)は、非常に薄手で柔らかい平織りの生地です。軽くて通気性が高く、透明感のある上品な表情が魅力で、コラボレーションスタイルでもとても人気が高いです。
バティストもまたイタリアらしいブルーのベーシックな柄が揃っています。
ゼファーは、ポプリンよりもふんわりとした風合いで、薄く通気性に優れた夏のシャツ生地です。2種類のクオリティがございます。
・120/2-120/2
120番手のゼファーは、シンプルなタッタソールやギンガムチェックで7色。
・50U
カチョッポリのシャツ生地の中では最も太い50番手の単糸を使用したゼファーは、ドライタッチで張りがあり耐久性に優れた素材です。
60色以上のカラフルな生地は、定番のクオリティとして長年カチョッポリのバンチブックには欠かせないコレクションとなっております。
光沢が抑えられた仕立て映えのする生地なので、コラボレーションスタイルではシャツの他にも、シャツジャケットでのオーダーも多いです。
カチョッポリは本当にたくさんの素材がありますが、涼しさと軽快さを求めるなら、コットン・リネン、ゼファー、シアサッカー。夏らしいリラックス感を楽しむなら、ピュアリネンやリネンプリント。着こなしに華やかさを加えるならコットンプリント、ビジネスや上品なジャケットスタイルにはポプリンやバティストから選んでみるのが良いと思います。
ということで今回は、2026年春夏シーズンのカチョッポリのシャツ生地をご紹介いたしました。今シーズンも、見応えのある充実したコレクションです。
気になる生地や、実際に仕立てたときの雰囲気を見てみたい生地はございましたでしょうか。
カチョッポリのシャツ生地は決して安くはありませんが、ナポリらしい感性で選ばれた色柄には、日本製の生地には無い魅力があります。
これからの時季は、シャツが装いの主役になります。生地の色柄だけでなく、衿型やサイズ感、合わせるパンツやジャケットによっても印象は大きく変わりますので、ぜひ店頭で実物をご覧いただきながらご相談ください。
ショップにはバンチブックに加え、私がオーダーしたシャツもご用意しております。生地だけでは分かりにくい仕上がりの雰囲気や着こなしのイメージもご覧いただけますので、夏の一枚をお考えの方はどうぞお気軽にお立ち寄りください。
人気の色柄はシーズン途中で品切れになることもございます。気になる生地がございましたら、ぜひお早めにご来店・ご相談いただけましたら幸いです。
COLLABORATION STYLE 上原祥意