今回のコラムは、COLLABORATION STYLEのオーダースーツで、季節を問わず多くのお客様がオーダーされ、1年の大半の時期で活躍するスリーシーズン(オールシーズン)生地のスーツについて、特徴や人気の高い生地などをご紹介させていただきます。
Fabric:LORO PIANA AUSTRALIS®SUPER150'S
メンズにおけるスリーシーズンスーツとは、テーラーによって多少の解釈の違いがあると思いますが、COLLABORATION STYLEでは、目付けと言われる生地の重さが、250g/m前後で、表面が起毛されていなく、クリアにカットされた主に綾織り(ツイル)の生地を使用したスーツをご案内しております。
スリーシーズンとは、「春・夏・秋」や「春・秋・冬」のことですが、夏が長くなり、暖冬の年も増えている現代の日本の気候では、真夏以外に着るスーツというイメージだと思います。
日本と気候の異なるヨーロッパでは、フォーシーズンやオールシーズンと呼ばれることも多く、ロロ・ピアーナの365やドーメルのAMADEUS365など、1年365日を意味する365を生地名に付けている素材もございます。
だからといって、真夏や真冬に着てはいけないということではなく、着る場所や着る方の状況によって、いつ着ていただいても季節感的におかしく見えないのがメリットでもあります。
当店をご利用いただいているお客様でも、寒がりなお客様は冬には着られませんし、逆に暑がりなお客様は冬でもスリーシーズン生地の厚さで十分というお客様も多くいらっしゃいます。
当店で初めてオーダーされるお客様はもちろん、いつもご利用いただいるお客様にもご質問させていただくことのひとつとして、ご着用の時期や生地の厚さのイメージをお伺いします。
春夏シーズンにご来店のお客様には、軽くて薄いトロピカルや通気性の高いフレスコ調などの夏物の生地をご希望されているか、それとも真夏はスーツを着ない方も増えているので、真夏以外に着る生地をご希望かをお伺いします。
左:トロピカル(夏) 右:ツイル(スリーシーズン)
また、同じように秋冬シーズンにご来店のお客様にも、地厚な生地やフランネルのように起毛している冬物生地をご希望されているか、もう少し長く着られることをイメージされているかをお伺いします。
左:ツイル(スリーシーズン) 右:フランネル(冬)
着用する際の季節感をイメージした時に、基準になるのがスリーシーズン(オールシーズン)の生地でございます。
ちなみに、採寸する際に使用するサイズゲージは、スリーシーズン生地で作製しております。
普段からスーツを着るお客様は、様々な生地のスーツをお持ちだと思いますが、スーツを着る機会が少ないお客様は、特にスリーシーズンの生地を選んでいただくのが良いと思います。
・スーツを初めて又は久しぶりに買おうと思っているお客様
どの季節にも着ることが出来て、どんなシーンでも間違えの無いスーツとして、まずはダークカラーのスリーシーズンスーツを1着オーダーいただくのが良いと思います。
・それほど多くのスーツを必要としないお客様
季節感を問わずに着ていただけるので、スーツが数着あれば問題の無い方にはベーシックな色柄で揃えていただければ良いと思います。
・これからスーツを増やしていこうと思っているお客様
まずは、着られる時期が長いスリーシーズンスーツを数着揃えてから、夏のフレスコや冬のフランネルなどの季節感のあるスーツを楽しむのが良いと思います。
・ソフトで軽い高級生地のスーツが好きなお客様
ソフトで軽く、光沢のあるスーツが好きなお客様は、スリーシーズンの生地を選ぶケースが多いです。メンズの生地の場合、各生地メーカーの最高級ランクのスーツ生地のほとんどは、230~280g/mくらいの目付でございます。
・レセプションやパーティーなどの集まりが多いお客様
滑らかで光沢のある生地が多いので、ビジネスでの集まりや堅苦しくないレセプションやパーティーなどのフォーマルシーンにも使い易いです。
株主総会用としてLORO PIANAのTASMANIAN®のネイビー無地で仕立てたスーツ
撮影時は、ラフなスタイルですが、毎年6月の株主総会にはしっかりとタイドアップして着ていただいております
クルーズ船のフォーマルデイに着る為に、DRAPERSのARRIVALのブルーで仕立てたスーツ
船内のパーティーを楽しむために、少し派手目で光沢のある生地を選んでいただきました。
世界中のメンズスーツの生地において、スリーシーズンの生地は、最も種類が多く、クオリティも多彩で、色柄のバリエーションも豊富でございます。
価格も比較的リーズナブルでコストパフォーマンスが高い生地から、最高級の高価な生地まで、とても幅広く揃っております。
COLLABORATION STYLEでもたくさんの生地をご用意しておりますので、その中から信頼と実績のある生地をご紹介させていただきます。
LORO PIANA 365・AUSTRALIS®・TASMANIAN®
ソフトで滑らかな高級生地を得意とするLORO PIANAは、羊の原毛のクオリティによって、コストパフォーマンスが高いSUPER130'Sの365、世界でも最も売れているスーツ生地のひとつSUPER150'SのAUSTRALIS®(オーストラリス)、そして最も歴史が古くLORO PIANAが誇る代表素材・SUPER170'SのTASMANIAN®(タスマニアン)の3種類のクオリティがとても人気で、ご予算に応じてお選びいただけます。
DRAPERS ARRIVAL・PANTHEON・BLAZON
SUPER110'SのARRIVALとSUPER150'SのBLAZONは、長年作り続けられているDRAPERSを代表するスーツ素材で、COLLABORATION STYLEでもベストセラークオリティです。また、SUPER130'SのPANTHEONは、日本に在庫のある限定素材の為、コストパフォーマンスが高く人気です。
CACCIOPPOLI NEAPOLIS・VESUVIO
ナポリの語源であるNEAPOLIS(ネアポリス)と有名なヴェスヴィオ山からとったVESUVIOのコレクションは、ナポリのマーチャントらしく他のメーカーには無い個性的でファンシーな色柄が揃っております。
Cloth Ermenegildo Zegna TROFEO・TRAVELLER
Cloth Ermenegildo Zegnaでは、光沢がありソフトな風合いの看板素材のTROFEOとシワになり難いTRAVELLERシリーズがスリーシーズン生地の定番で、長い間、選ばれ続けているベストセラーでございます。
CARLO BARBERAのSUPER140'S・TALLIA DI DELFINOのSUPER160'S
イタリアのハンドメイド高級ブランド・KITON(キートン)の傘下で、洋服好きに愛好家が多いCARLO BARBERA と、LORO PIANAやCloth Ermenegildo Zegnaと並ぶイタリアの3大生地メーカーのTALLIA DI DELFINOは、日本国内に生地のストックが有る為、非常にコストパフォーマンスが高い生地をお選びいただけます。
VITALE BARBERIS CANONICO PERENNIAL・REVENGE
日本国内においてコストパフォーマンスが高い生地の代名詞・CANONICOが、長年作り続けている定番素材SUPER110'SのPERENNIALとSUPER150'SのREVENGE。ビスポークテーラーにも評価の高い安定した品質と魅力的な価格が人気です。
最高級生地 LORO PIANAのCASHMERE WISH®・DRAPERSのGREENHILLS
SUPER170'SのウールにカシミヤをブレンドしたCASHMERE WISH®やSUPER180'SのGREENHILLSなどの最高級の生地もスリーシーズンタイプの生地が多いです。ちなみに、ロロ・ピアーナでは、SUPER200'Sの生地もご用意可能でございます。
オーダースーツ屋として、またスーツ好きとして、今まで30年以上の業界人生でたくさんのスーツを作ってきましたが、その半数以上はスリーシーズンの生地でございます。
上記で代表的な生地をご紹介しましたが、ご参考として私がオーダーしたスーツをご紹介させていただきます。
LORO PIANAのTASMANIAN® 2021年作製
TASMANIAN®が2021年にSUPER150'SからSUPER170'Sにクオリティがリニューアルした際にオーダーしたスーツです。
とてもソフトで、ギラギラしない上品な光沢があり、ふっくらとした風合いで、着心地もとても軽いです。バンチブックがリニューアルする度に、オーダーしている好きな素材で、恐らく日本で一番TASMANIAN®でスーツをオーダーしている一人だと思います。
DRAPERSのBLAZON 2023年作製
TASMANIAN®と人気を2分するBLAZONも、バンチブックがリニューアルする度に、スーツをオーダーしている好きな生地です。滑らかでソフトなタッチですが、TASMANIAN®より張りがあって仕立て映えのする生地で、より立体感が出ます。
STANDEVENのSIGNATURE 2025年作製
30年以上スーツを作ってきた中で、2025年に初めて選んだ生地で、英国の高級生地マーチャント・STANDEVENのSUPER160'SのSIGNATUREです。同じ細番手のイタリア製と比べて、ソフトな風合いの中にも安定感や安心感がある素材です。丈夫でハードな印象がある英国製の生地ですが、滑らかでソフトな生地もご用意しております。
初めてオーダーした素材なので、エイジングを楽しみながら、風合いや着心地などもチェックして、皆様にもご紹介していきたいと思います。
どの季節にも着ていただけるスリーシーズンスーツですが、ネクタイやポケットチーフなどの小物(アクセサリー)の選び方で、季節感も演出でき、1着で何役もこなせます。
こちらは、英国の老舗マーチャント・HARRISONSのPREMIER GRAND CRUの生地で、ハリソンズの160周年記念レセプションに合わせて仕立てたチャコールグレーのスーツです。
同じスーツで、ネクタイとポケットチーフを変えて、季節感を出してみます。
コーディネートしたネクタイはCOLLABORATION STYLEのオープン当初から取り扱っておりますAtto Vannucciのセッテピエゲ、ポケットチーフは2025年より取り扱いをスタートしましたOtway&Orfordでございます。
春夏のコーディネート
秋冬のコーディネート
チャコールグレーやダークネイビーなどは、ネクタイやチーフを変えるだけで、フォーマルシーンでも十分に着ていただけます。
冬に着る際の寒さ対策として、スリーピースで作っておくと、より長い期間着ていただけます。
Fabric:LORO PIANA TASMANIAN®SUPER170'S
Fabric:DRAPERS ARRAIVAL
生地をバンチブック(生地見本帳)から選んでいただく場合、どの生地でもスリーピースが作れるのもオーダーの良さでございます。
ということで、今回は、季節を問わずに多くのお客様にオーダーいただいておりますスリーシーズン(オールシーズン)生地のスーツについて、特徴や代表的な生地をご紹介させていただきました。
素材・風合い・色柄など、バリエーションは非常に豊富で、リーズナブルな価格から最高級の生地まで揃っておりますので、お好みやご予算など、お客様のご要望に合わせたご提案とサポートをさせていただきます。
どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。
COLLABORATION STYLE 上原祥意