今回、COLLABORATION STYLEのオーダーコートの中からご紹介するのは、大人のカジュアルスタイルを楽しめる都会的で上品なピーコートです。そのこだわりの仕立てやデザインの特徴をお客様にオーダーいただいた素敵なコートやコーディネートと併せてお伝えしたいと思います。
ピーコート(Pコート)は、イギリス海軍の艦上用軍服やフランス・ブルターニュ地方の漁師の防寒着が起源とされている、メルトンなどの厚手のウール生地で作られたダブルブレストで腰丈のショートコートがオリジナルです。
大きな衿、縦に切り込みが入ったハンドウォーマーポケット(マフポケット)、錨の刻印がある大きめのボタンなどが特徴で、機能性や防寒性が高いながらも、スマートなシルエットで、ビジネススタイルにも休日のカジュアルスタイルにも使い易く、現代では冬の定番アウターとして、メンズ・レディス問わず幅広い年代で着られております。
ちなみに、ピーコートのピーとは、オランダ語で「粗い毛織物」を意味する「pije(ピイ)」や「錨」を意味する「pia(ピー)」が由来とされていますが、諸説ございます。
ピーコートは、冬のクラシックなカジュアルアウターとして多くのブランドが展開しており、オリジナルのミリタリーなデザインや仕様を残した定番モデルに加え、オリジナルのエッセンスを取り入れつつも、シルエットや素材・仕様にアレンジを加えたモデルも多数ございます。
COLLABORATION STYLEのオーダーピーコートは、ミリタリーテイストを抑え、都会的にアレンジしたモデルです。イタリアでは、ジャッコーネ(Giaccone)やカバン(Caban)と呼ばれる大人が着る上品なカジュアルアウターでございます。
ジャッコーネとは、ジャケットとオーバーコートの中間アイテムの着丈が短いカジュアルなコートの総称で、イタリア仕立てのピーコートです。
イタリア・フィレンツェではカバン(Caban)と呼ばれ、車を運転する際に着るドライビングコートと呼ばれることもございます。
ピーコートは、メンズ・レディス問わず人気の高い冬のアウターで、多くのブランドやショップで販売されておりますが、上質な素材を使用した着心地の良いピーコートはオーダーで仕立てるのがベストです。
スーツやジャケットと同様に、体に合ったサイズやバランスで作れることはもちろん、生地の選択肢やデザインの組み合わせも圧倒的に豊富なので、既製品では手に入らない自分だけのピーコートをオーダーいただけます。
既製品では、メルトンなどの肉厚なウールを使用したものが定番ですが、オーダーでは、カシミヤなどの高級感のある上質な素材を使用したり、ツイードやコーデュロイ、モールスキンなどのラフな素材を使用したりと、お好みのスタイルに合わせてお選びいただけます。
オーダーコートと言えば、チェスターコートやラグランコートなどのロングコートが多いですが、ぜひカジュアルなショートタイプのピーコートも、流行に左右されないクラシックで上質な自分だけのものを15年・20年と長く着ていただきたいと思います。
軽くて暖かいダウンジャケットも良いですが、上質なピーコートをワードローブに揃えていただけたら、他とは違う大人のカジュアルスタイルをお楽しみいただけると思います。
長年、メンズウェアを取り扱ってきた日本の多くのテーラーやオーダースーツの縫製工場は、チェスターコートを中心としたビジネスやフォーマルのコートを仕立ててきましたが、ピーコートのようなショート丈のカジュアルなコートを仕立てる経験が少ないため、格好良いと思えるものを作ることが出来ませんでした。
COLLABORATION STYLEでは、長年提携している技術が高く信頼できる縫製工場と試行錯誤を繰り返しながら、クラシックだけども現代的にアップデートしたスタイリッシュで着心地の軽いイタリアンスタイルのピーコートを作り上げました。
ブルゾンほどカジュアルではなく、チェスターコートほどフォーマルではない、ちょうどいい塩梅の大人が着るピーコートでございます。
そのオーダーピーコートのデザインや仕様のバリエーションをご紹介いたします。
衿はポロコートやラグランコートでも使用しているアルスター(Ulster collar)カラーでございます。ピークドラペルと比べて、スポーティーでカジュアルな雰囲気が出ます。
ちなみに、アルスターの名称は北アイルランドのアルスター地方という地名から付けられております。
フロントの打ち合いはダブルブレストで、6個ボタンの2つ掛けです。ボタンの並びは、ダブルチェスターコートやポロコートとは違い、トラディショナルなピーコートの仕様に準じ、縦に平行に並べております。
腰ポケットのデザインは、主に3種類のデザインをご用意しております。
パッチポケット(アウトポケット)にフラップを付けた、カジュアルなコートには多い定番のデザインですが、イタリアでは、チェスターコートにも良く使われます。
個人的ににも好きなポケットなので、私のピーコート(ジャッコーネ)のポケットは、このデザインで作ります。
パッチポケットの中にフラップを付け、さらにその周りを額縁のように囲んだポケットで、ポロコートではアイコンにもなっている非常に手の込んだデザインでございます。
既製品のピーコートでは、ほとんど見かけないポケットなので、個性的でオーダー感が出ますね。
手を入れやすく、使い易い、お馴染みのポケットです。ピーコートでも、もちろん選択いただけます。
袖口の仕上げも他のデザインのコートと同様にお好みでアレンジしていただけます。
ターンナップカフとは、袖口が折り返しになっているデザインのことです。
袖口に厚みが出るため防寒性に優れ、見た目に重厚感があり、クラシックな印象になります。
ポロコートと同じように「ボタン留め」とシンプルな「ボタン無し」を選択できます。
ナポリ仕立てのジャケットやコートで良く使われる1個ボタンをはじめ、ジャケットと同じようにボタンの数を自由に変えることもできます。また、ボタン無しの筒袖で仕上げることも可能です。
ラグランコートで採用している持ち出し三角型のタブ仕様にすることも出来ます。
様々な生地を使用し、お客様のお好みに合わせたサイズ感でオーダーいただいたピーコートとそれに合わせたコーディネートをご紹介いたします。
Cloth Ermenegildo Zegnaの14 Milmil 14のウール・シルク・カシミヤでオーダーいただきましたピーコート。
オーダーならではの、上質なカジュアル素材です。620gmsの重さながら、もちっとした風合いで、とても暖かく、柔らかい着心地のピーコートです。
腰ポケットは斜め箱ポケット、袖口はターンナップで仕上げました。
スーツやジャケットの上に着ることも想定したサイズ感で仕上げましたので、タイドアップしたスタイルでも、休日のカジュアルスタイルにも合わせられます。
オーダースーツにアットヴァンヌッチのネクタイというクラシックなビジネススタイルにコーデしていただきました。
COLLABORATION STYLEでストックしているお宝生地の中から、DRAPERSの100%カシミヤの白黒ヘリンボンでオーダーいただきましたピーコート。
上質なカシミヤを使用したピーコートは、正にオーダーならではのラグジュアリーな大人のアイテムです。ジャッコーネとして、ニットやシャツの上にジャケット代わりに着るサイズ感で仕上げています。
腰ポケットはパッチ&フラップ、袖口はターンナップです。
ダークパープルのタートルネックとブラックパンツとのシンプルで都会的なカジュアルコーデです。
ピーコートにタートルネックのコーデは相性が抜群です。
ジベリン加工施しカシミヤのような風合いに仕上げた、人気の高いCOLOMBOの定番ウールでオーダーいただきましたピーコート。ネイビーは、ピーコートの定番色ですが、素材のバリエーションは豊富にご用意しております。
腰ポケットはパッチ&フラップ、袖口は1個ボタンの本開きです。
ジャッコーネとして着られるということで、ニットやシャツの上に着るサイズ感で作りました。
グレーのタートルネックとブルーデニムに、ブラウンスエードのチャッカブーツという、トラッドなカジュアルスタイルのコーデです。
PIACENZAの100%カシミヤのダークブランでオーダーいただいたピーコート。
上質でソフトなカシミヤを使用し、シャツやニットの上に着るサイズ感で作りました。ジャケットはイタリアサイズで42を着られているお客様ですが、ピーコートも42から56サイズまでは型紙をご用意しております。
腰ポケットは斜め箱ポケット、袖口はターンナップカフです。
カシミヤのポロニットに、FOX TWEEDの生地で仕立てたパンツ、ブラウンスエードのチャッカブーツというクラシックで暖かみのあるコーデで、力の抜け感がとても良い感じです。
上質な素材のこだわりアイテムでコーデした、大人のオヤジのリアルなカジュアルスタイルです。
Caccioppoliのコートコレクションから、イタリア・トスカーナ地方の伝統的な生地・カセンティーノ(Casentino)のダークグリーンでピーコートをオーダーいただきました。
カセンティーノは、生地の表面にナッピング加工を施し、毛玉のような表情に仕上げた特殊な素材で、狩人や羊飼いが木の枝などに引っ掛けてできた傷を目立たなくするために、最初から毛玉状にしたのが始まりとされています。
暖かく、雨などの水も弾き、キズにも強いというアウターにはもってこいの機能的な素材で、ポロコートやアルスターコートでも良く使用されます。
腰ポケットは斜めポケット、袖口は1個ボタンの本開きで仕上げました。
生地の厚みに合わせてミドルゲージのグレージュのタートルネックとコーデしました。ケーブル編みのようなローゲージでボリュームのあるニットでも相性は良いです。
このように、ピーコートはどんな素材とも相性が良く、メルトンなどの厚手でしっかりとした本来のピーコートらしい素材も格好良いですし、カシミヤなどの着心地の良い上質な素材もラグジュアリー感があって大人の素敵なショートコートに仕上がります。
その他にも、お客様からオーダーいただいたコートは、Galleryのページでご紹介しておりますので、ぜひご参考にしてください。
ということで、今回のコラムは、COLLABORATION STYLEのオーダーコートの中から、大人のカジュアルスタイルを楽しめる都会的で上品なピーコートについて、お客様にオーダーいただいた素敵なコートやコーディネートをご紹介しながら、その魅力をお伝えさせていただきました。
ショップには、様々なクオリティの生地で仕立てたピーコートをご用意しております。
実際にいろいろなコートをご試着いただきながら、素材やデザイン、コーディネートについてのご相談を承ります。オーダーをご検討されているお客様は、いつでもお気軽にお電話又はメールでお問い合わせくださいませ。
COLLABORATION STYLE 上原祥意