今回のコラムは、春から秋にかけて、真夏を除く季節に活躍するサマーツイードのジャケットについて、私自身がこれまでにオーダーしてきた経験をもとに、その魅力をお伝えしたいと思います。
サマーツイードジャケット(Summer Tweed Jacket)とは、ウール、リネン、コットン、シルクなどの通気性に優れた素材を組み合わせて、ざっくりとした風合いに織り上げられた春夏や初秋向けのツイード生地でオーダーしたジャケットです。
ハリスツイードやドネガルツイードなどに代表されるスコットランド製の重厚な冬用のツイードジャケットとは異なり、ツイード特有の素朴な表情を残しながら春夏でも着用できるように開発された軽量なジャケットです。
メンズでは主にクラシックなジャケットが多く、私自身は現在も現役で着用しているものだけで6着。過去も含めると10着以上はオーダーしておりますので、ジャケット生地の中でも特に好きな素材でございます。
サマーツイードは春夏素材としては比較的肉厚なため、多色使いや複雑な柄の表現に優れています。単調になりやすい春夏生地の中でも、きれいな配色と奥行きのある色柄が魅力で、バリエーションも豊富です。また、派手な配色であっても、ツイード特有の落ち着いた表情により、自然にコーディネートへ馴染みます。
涼しさを求める春夏物は、薄いトロピカル(平織り)や通気性のあるホップサックなど似たような生地が多くなりますが、サマーツイードは、使用する素材や糸の太さなどよって風合いが千差万別です。また、素材の組み合わせも豊富で、ドライな質感からしっとりとした風合いまで、ウール・シルク・リネン・コットン・ナイロンなどの混紡率に違いによって個性を楽しめます。
肉厚でしっかりとしているので、最初はやや硬く感じるかもしれませんが、着込むほどに立体感が増し身体に馴染んでいきます。さらに、耐久性にも優れ、長期間にわたり経年変化を味わえることも大きな魅力です。
メンズファッションでは、20代~30代のお客様にも人気が高く、10年・20年と年齢と一緒に育てていく楽しみもあります。
サマーツイードのジャケットは、「サマー」と付いていますが、日本の真夏に着用するのは現実的ではありません。湿度の低いヨーロッパでは夏に着ることも可能ですが、日本では春から初夏、そして秋から初冬にかけての季節の変わり目に着るのがちょうど良いと思います。
いわゆるスリーシーズン対応のジャケットです。
日本では、「春夏のジャケット=涼しいジャケット」をお求めになられるお客様が多いので、敬遠されることも多いですが、実は長い期間着ていただける実用性の高いアイテムです。
多くのメンズショップでも素敵なジャケットを取り扱っておりますが、春夏物としては販売する期間が短いため、選択肢が限られます。
一方、オーダー用の生地はイタリア製や英国製を中心に年々バリエーションが増えております。
サイズやデザインの自由度に加え、生地選択の幅広さを考えると、サマーツイードジャケットはオーダーに適したアイテムです。ぜひ10年・20年と長くご愛用いただける、仕立ての良いジャケットをオーダーしてください。
シーズンコレクション・PROPOSTE GIACCHEに収録されているSUMMERTIMEは、COLLABORATION STYLEのオープン以来、人気の高いロングセラー生地です。ファンシーからクラシックまで、LORO PIANAならではのきれいな配色が特徴で、色柄が毎年変わりますので一期一会の生地です。
ジャケットコレクションに様々なサマーツイードが収録されておりますが、中でもウール・シルク・リネンの3者混の生地は人気が高いです。ナポリのマーチャントらしい配色のクラシックな柄が特徴です。
シーズン限定コレクション・GOLDEN SELECTIONに収録されているサマーツイードは、ウールを含まない分、ドライな質感です。無地とチェック柄があり、定番の無地以外は毎年色柄が変わります。
ズバリSUMMER TWEEDという名のバンチブックがございます。67%リネン・33%コットンで織られた生地は、ドライタッチでザックリとていながらも光沢もあります。無地・グレンチェック・ハウンドトゥース・ウインドペーンというクラシックな柄をファンシーな色で表現した生地は高い人気を誇ります。
シーズン限定コレクション・GRAFITTIに収録されているサマーツイードです。リネンとウールに少量のシルクをブレンドした生地は、しっとりとして上品な光沢もあります。LORO PIANAグループらしく、きれいな配色の生地が揃っております。
ツイードやブークレのジャケット素材において圧倒的なバリエーションを誇る、イタリアの老舗メーカー・FERLA(フェルラ)のコレクションです。
多くのメゾンブランドやオートクチュールで使用されている独特で存在感のある唯一無二の生地です。COLLABORATION STYLEでは、イタリアの高級服地マーチャント・CARNET(カルネ)がFERLA社に別注したコレクションをご用意しております。
私がオーダーしたサマーツイードのジャケットとそれに合わせたコーディネートをご紹介いたします。ぜひ、皆様がオーダーされる際のご参考にしてみてください。
CACCIOPPOLIのウール・シルク・リネン
配色の相性の良いダークグリーン×ネイビーのチェック柄で2020年に仕立てたジャケットです。モデルは、MTMのBLACK LABELです。仕立てた時とは比べ物にならない程に身体に馴染んでおります。
コーデは、コットン・リネンのサックスブルーのシャツにチャコールグレーのパンツ、靴はYUKI SHIRAHAMA BOTTIERのビスポークで、ダークブラウンのセミブローグです。
ネクタイはネイビーベースの小紋柄で、Atto Vannucciのセッテピエゲです。
タイドアップはもちろんですが、ジャケットに個性があるのでノーネクタイでも様になります。
DRAPERSのコットン・リネン・シルク
ライトグリーン×ライトベージュのシェパードチェックで、2021年に仕立てたハンドメイドのビスポークジャケットです。ドライでハードな質感が、経年変化でとても柔らかくなっております。
コットン・リネンのサックスブルーで仕立てたシャツに、オフホワイトのコットンパンツ、ブラウンスエードのタッセルローファーでコーディネートしました。
サマーツイードは、ウールパンツはもちろん、コットンやリネンパンツとの相性も良いです。
ネクタイは、10年以上前に購入したTIE YOUR TIEのセッテピエゲ。ネクタイの素材もジャケットの素材感に合わせ、リネン混紡でございます。
CACCIOPPOLIのウール・シルク・リネン
ブラウンベースにブルー系の色でウインドペーンが入った、正にイタリアらしい配色の生地で2018年に仕立てたハンドメイドのサマーツイードジャケットです。
コーデは、ブラウンに相性抜群のサックスブルーのシャツに、ヤコブコーエンのデニムパンツを合わせてみました。生地に表情のあるサマーツイードは、デニムパンツともとても良く合います。
DRAPERSのコットン・リネン・シルク
ライトブルー×ライトブラウン×ベージュのガングラブチェックで、2023年にBLACK LABELで仕立てた1着です。
ダークブラウンのコットンポロニットに、少しゆとりのあるミディアムグレーのウールパンツでコーディネートしました。靴は、YUKI SHIRAHAMA BOTTIERのビスポークシューズで、クロコダイル(ポロサス)のヌバックのローファーです。リラックスした中にも上質なアイテムでまとめました。
ということで、今回は、メンズファッションのクラシックアイテム・サマーツイードジャケットについて、私自身がこれまでにオーダーしてきた経験をもとに、その魅力をお伝えさせていただきました。
春から秋まで着用できる、色柄や素材感を楽しめる、経年変化を味わえるといった点から、もっと多くの皆様にその良さを知っていただきたいジャケットです。
ショップには、今回ご紹介しましたものも含め、様々な色柄でオーダーしたジャケットを展示しておりますので、実際に手に取ってご覧いただけますし、ご試着も可能です。
もちろん、私・上原が、お客様それぞれに合わせたご提案とサポートをさせていただきますので、お電話又はメールでどうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。
COLLABORATION STYLE 上原祥意